太陽のあいつ《完結》
「…ケイタ。
その好きな人って誰??
サオリの知っている人?」



サオリの小さな声が
俺の耳に響く。



確かに
俺の好きな相手は、
サオリの知っている人。


でも

…言えない。


こないだ
サオリを海で助けた、
須賀敦志だよ…
なんて絶対に言えない。


言えないよ…。



「……ううん。
サオリの知らない人だよ」


「そっか…」



サオリは握り締めた手を離し、
ゆっくりと立ち上がった。
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