太陽のあいつ《完結》
俺はただ黙ったまま、
ナオキの問いに答えることが出来なかった。


すると、
サオリは顔を上げ、
涙交じりに話し始めた。



「……もう良い。
ケイタに好きな人が
出来たんなら仕方ないもん。
でもサオリはずっとケイタのこと好きだよ。
だからもしケイタがその人に振られたら、戻ってきて…。
お願い…」



騒がしい店内で、
かき消されそうな声で話すサオリ


そして、
その返事を待つナオキ。



俺は
何て答えれば良いんだ?


サオリに戻るなんて、
都合良すぎだよ。


それに振られたら…って
既に別れを告げられたわけだし…。
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