太陽のあいつ《完結》
鳥の鳴き声しか聞こえない野外プールで一人、クロールで泳ぐ。


10往復ほどすると、
息が切れ始めた。



やはり
鈍っているようだ。



一度、
プールから顔を出し、
静まり返る水面を眺めた。


泳いだ後に出来る小さな波を見つめながら、深く息を吸い、
水面に向かって一気に吐いた。


フェンス越しのひまわりたちは、
今日も俺のことを見ている。


そして、
また何か言いたげに
咲いているように思えた。



その時、
プールサイドを歩く
足音が聞こえ、
俺は、すぐに振り返った。
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