太陽のあいつ《完結》
「……ケイタ…」



不安そうに立っている
サオリの姿があった。


近くで見ると、
少し痩せたように感じる。



「どうした??」


「うん…。
一緒にお弁当食べないかな?って…」



確かめるように言う
サオリの手には、
いつもの大きな弁当箱があった。



「サオリ…
俺たち、別れたんだよ。
……だから」



俺の言葉に
うつむくだけのサオリは
弁当箱をギュッと抱えた。


沈黙が続き、
言葉に詰まってしまう。


その時、
沈黙を壊すかのように、
ケータイが鳴り出した。



あれ??
ミキちゃん?


こんな時に電話して来るなんて…
気まずいよ。
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