太陽のあいつ《完結》
もうどう答えて良いか、
分からなかった。


サオリの寂しそうに
見つめる目が辛い。


廊下の壁に
もたれながら話す俺たちを
たくさんの奴らがチラチラと見ていく。


そんな状況もイヤだった。



「ケイタ、今日だけで良いの…。
一緒にお弁当食べよう。
作ってきちゃったから…」


「……あ


……うん、分かった」



俺は
そう言うしかなかった。


既に作ってきた弁当を
捨てるのも、抵抗がある。


それに今日、
サオリにはちゃんと
理解してもらおう。


俺はアツシとナオキに
事情を説明し、
サオリと中庭へ向かった。
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