太陽のあいつ《完結》
「ケイタ…
これ全部食べて良いよ…」


「うん…。サンキュ」



俺たちは何も話さず、
沈黙のままモクモクと
口だけを動かした。


そんな気まずい空気の中、
サオリが話し始めた。



「……ケイタ…サオリね、
ケイタのこと好きなままでも良い??
他に好きな人が出来る自信がないんだ…」


「そんなこと言うなよ。
サオリは可愛いし、優しいし、
絶対に俺よりもっと良い奴が出来るよ。
だから、今からそんな気持ちになるなって」



うつむいたまま、
肩を揺らすサオリ。


制服のスカートに
ポツンと涙が落ちた。



俺はもうサオリの肩を抱くことが出来ない。


サオリに期待持たす事は出来ない。


俺が全部悪いよな。
ホントに、ホントにごめん…
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