太陽のあいつ《完結》
アツシの元カレのこと聞きたいから…
とは言えない。


アツシから
話してほしいのに…。



フェンス越しのひまわりも
種を敷き詰め、
真夏のような美しさはなくなっていた。


俺のことを応援し続けて、
疲れてしまったように見える。


ホントはもっと
力を貸してほしい。



「引き受けた以上、
しっかりやったほうが良いよ。
ミキの顔だってあるんだし、
半端な気持ちでやるよな」



アツシはそう言って、
ゴーグルをするとプールに飛び込んだ。


そして、
平泳ぎでひたすら泳いで行く。



「…アツシ」



アツシの元カレのことが
知りたいだけなのに…。
< 388 / 579 >

この作品をシェア

pagetop