太陽のあいつ《完結》
―バン!!



ピストルの音と同時に、
全員が一斉に飛び込んだ。


俺は全神経を集中させ、
水と一体化した。


魚にでもなった気分だ。


水の中で、
俺は物凄い勢いで
腕と脚を動かしていく。


誰よりも早く、
誰よりも良いタイムを出したい…

そんな気持ちだった。



一回目のターン…

二回目のターン…

三回目のターン…


そして、
ラストスパート。



この25mを泳げば、

最後だ!



俺の気合いは
誰にも負けていない。



きっとこの会場で
誰よりも気合を入れて泳いでいる。




プールサイドに手をつき、
水面から顔を上げた。
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