太陽のあいつ《完結》
「…俺、先戻っているわ」



自然とそんな言葉が
口から出ると、


「ちょっと待って…
あなた、池上啓太くんでしょ?」


中年の女性が
声をかけてきた。


よく見ると、
アツシと顔の骨格が似ていて、
クッキリした二重は特に似ている。


秋っぽいベージュのスーツに
大きな指輪をつけたこの女性…
アツシの母さんだなと実感する。



「はじめまして。
アツシの母です。
アツシがいつもお世話になっています。
ケイタくんの話はよく聞いていたのよ」



やっぱりアツシの母さんか~



口角を上げて、
笑うところもよく似ている。
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