太陽のあいつ《完結》
「ケイタを
初め見たのは、小6の時。
父さんと二人で出かけた場所が
水泳大会だった。
そこにケイタが出場して、
優勝していたよ。
あの時の父さん…すげ~喜んでたな。
それで俺も『あいつには負けたくない』と思って、
水泳を始めたんだ」


「…え?
俺に負けたくないと思って…?」


「あぁ…父さんはやっぱり、
本当の子供のほうが
大事なんだって思ってさぁ。
俺も父さんに喜んでもらいたかったんだ」


「…そうなんだ…」



俺も肩の力が抜け、
それ以上の言葉が出て来なかった。


アツシが俺に対して
ライバル視してたなんて…
少しショックだった。
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