太陽のあいつ《完結》
「ケイタ…
俺、最初はお前のこと嫌いだったよ。
俺にもやっと父さんが出来たと思っても、
ケイタがいる以上、
本当の父さんにはなってくれないんだって…」


俺の胸に
どんどんと突き刺さるような
発言をするアツシ。


震える指を押さえながら、
アツシの話に耳を傾けた。



「でも、
高校に入ってからケイタのタイムが伸び悩んでいるのを聞いて、
心配になったんだ。
その時、何だか助けてやりたい…と思ったんだ…。
そんな時期に、
カナダにいる父さんと母さんがこっちに来て、
一緒に住もうって言われたんだ。
だからカナダに行く前に、
お前のいる高校に転校して、
お前のこと助けようと思ったんだ」



はははは?



俺の頭の中で
疑問が浮かぶ。


アツシは話を続けた。
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