太陽のあいつ《完結》
「やあ、ケイタ…」



父さんが俺を見て、
小さく声を上げた。



「…うん」



俺はただ頷き、
その場に立ち尽くしてしまう。



「こっちに来て、座りな」



姉ちゃんが
Tシャツの袖を引っ張り、
俺をソファに座らせた。



「昨日はビックリしたよ。
アツシとは仲良くしてるんだな」



父さんが
少し気まずそうな口調で、
言葉を発した。



「…あ、うん」



「今、母さんから聞いたよ。
アツシはこの家に泊まったこともあるらしいな」


「…うん」



『うん』しか言わない俺と、
何かを伝えようとする父さん。
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