太陽のあいつ《完結》
父さんは
やっぱり変わっていない。


笑うと目が線になり、
優しい顔をしている。


そんな父さんはもう、
俺の父さんではなく、
アツシの父さんなんだ。


そう思うと、
胸が苦しい。


好きな人に
大事なものを
奪われていたなんて…。



「今日は
今後のことも話したくて、
この家にやってきたんだ」


「うん」



父さんと母さんは
離婚後も連絡を取り合い、
俺の知らないところで、
たまに会っていたらしい。


メインはお金の話で、
俺や姉ちゃんの様子を伝えていたそうだ。


そして、
昨日、偶然
俺と顔を合わせたので、
今日は家にやってきた…というわけだ。
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