太陽のあいつ《完結》
元の家族、
4人の途切れ途切れの会話は
1時間ほど続き、
父さんはまた家を出て行った。


3人だけ残された家は、
重たい空気が流れていた。


きっと
父さんが家を出て行った日も
こんな状況だったのかな。


当時は分からなかったけど、
今なら分かるよ。


そんな重い空気を
打ち消すように、
姉ちゃんが声を上げた。



「ね!今日はどっかご飯食べに行こう!」



母さんは顔を上げ、
小さく微笑む。



「…そうね。
そうしましょうっか」



いつもの母さんに
戻っていく様子に、
俺は『ここが俺の居場所』なんだと実感する。


母さんと姉ちゃんが居なければ、
今の俺はいない。


学校にも行けないし、
生きて行くことも出来ない。


母さんが
俺のことを育ててくれる。


姉ちゃんが支えてくれる。


俺はそんな環境で
幸せなんだと実感した。
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