太陽のあいつ《完結》
「あ、でも…良いよ…。
いつ返せるか分からないし…」


「また会えたときで良いよ。
気にするなって」



アツシはそう言うと、
またアイスコーヒーを口にした。


上半身ハダカの俺は、
アツシから渡されたTシャツに袖を通し、
鏡に自分の姿を映した。


確かに、
このジーンズに似合っている。


そして、
俺のためにTシャツを選んでくれたアツシが良い奴に思えて、
笑みがこぼれた。


アツシに対して、
胸のあたりがほんのり温かくなったのは、
このときが初めてだった。
< 52 / 579 >

この作品をシェア

pagetop