太陽のあいつ《完結》
映画が始まり、
アッという間に二時間が経った。


最後の悲しいエンディングに
俺たちはしんみりした気持ちになっていた。


繋いだ手が、
お互いの感情を共感し合い、
黙ったまま顔を見合わせた。



「…ケイタ、大丈夫?」


「うん…。アツシこそ…」



そんなやり取りが
可笑しくて、
俺たちは小さく笑った。


エンドロールが流れ、
場内はまだ真っ暗だ。


この時、
同じこと考えていただろうな。


キスしたいって…。
< 527 / 579 >

この作品をシェア

pagetop