太陽のあいつ《完結》
返事をしないまま、
放課後の校庭を眺めていると、



「ケイタ!!何やってるの??」



背後から抱きつかれ、
柔らかい物体が背中に押し付けられる。


振り返ると、
やっぱり…サオリだった。



「ケイタ~さっき、メールしたのに、何で返事くれないの??」



少し拗ねた声色に甘える表情…
これがサオリの得意技だ。



「ごめん、ごめん…。
今、返そうと思ってたんだ…。
じゃ帰ろうか?」


「うん!!
今、カバン持ってくるから待ってて!!」



満面の笑みで手を振りながら、
教室を出ていくサオリ。


俺は薄笑いを浮かべ「待ってるから…」と声をかける。
< 74 / 579 >

この作品をシェア

pagetop