太陽のあいつ《完結》
まだ誰も帰ってきていない
家の鍵を開け、
サオリを通した。


この家は
家族3人で暮らしている。


母親と姉貴と俺。


そう…
うちは母子家庭だ。


俺が小学生の頃、
父親が外に女を作って家を出て行ってしまった。


俺にとって父さんは、
優しい思い出だけが残っている。


一緒にサッカーもやったし、釣りにも行った。


町内会の役員をやっていたため、
子供会の行事でも引率係りをやり、近所の子供たちにも人気があった。


明るくて、笑うと目が細くなる父さんが好きだった。
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