にじいろなみだ
桜空とは何度か花柳を訪れた。
「この城の下へ行きたいです!」と言って、無邪気に笑って見て回っていた。
その時に、家臣たちもすごく楽しそうだった。
「しかし、何故あのような方が此処に?」
「…もしかしたら、家族を残したくないと言う思いかもしれない」
虹春の母親はもう死んだと聞いた。
だとしたら、父親など家族を残したくないと言う思いから、都に来てしまったとしか考えられない。
我は、屋敷に帰ってからも、現湖を見に行ったりと調べていた。