にじいろなみだ



「狐さんは優しい人。やっぱりあってるなって思いました。
だってこんなに優しい人だから」


虹春は消えかけている足を気にせず、我に笑いかけた。


そして、我に一枚の紙を渡した。


「お母さんの手紙です。
…あたしを幸せにしてくれた、お礼です」


「虹春…」


「もう一つ、お礼です」


最後、消えかける中、かろうじて聞こえた。


「あたしのお母さんの名は…桜空です」


< 42 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop