にじいろなみだ


「礼には及ばぬ。ではやってもらえ」


「はい」


あたしが夜又さんと別の部屋に行こうとすると、琥珀さんに引き留められた。


「おい」


「はい?」


「お前、名前は?」


「桜空、です」


あたしがそういうと、琥珀さんは「桜空…」と呟いて、笑った。


「いい名前だ」


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