710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
「わぉ。海聖くんもついに大胆な行動に出たね。言葉で通じないなら、行動で示そうとしたんじゃない?」
「そうなのかなー……」
心愛に言われて、そう思いそうだけど。
なんか違う気がした。
私の異変に気付いて優しくしてくれた、みたいなそんな感じがした。
そんなわけないか。
「……か!………ゆか!………繭歌!」
考え事をしてて、心愛に呼ばれているのに気が付かなかった。
「…え、あ、ごめん!どうしたの?」
どうしたのかと聞くと、心愛はゆっくりと私の手を指差した。
「……さっきから頭押さえてるけど…どうしたのかなって」
心愛に言われてハッと気付く。
私いつの間に頭なんて押さえてたんだろう。
誰にも心配させないように普通にしてたのに。
私は慌てて頭を押さえていた手をとった。
「あ、これは海聖のことで悩んでたからだよ!だから何でもないよ!」
心愛に迷惑かけたくなくて、私は笑顔を見せた。