710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~




でも壁にしては柔らかいし、温かい。
そしていつも隣から香ってくる、柔軟剤の匂いがする。




ゆっくりと顔を上げると、そこにはいるはずもない人がいた。




「……か、海聖……?」




私をしっかりと抱き留めているのは、海聖だった。




なんでここにいるの?
今は授業中なのに。




体育は二クラス合同だから、海聖もジャージを着てる。




海聖は体育が好きで、いつも体育だけは具合悪くても出てるのに。




更に海聖の言葉が私を驚かせる。




「…どうして今日、朝から頭が痛かったのに学校休まなかったの?」




私、海聖に頭痛いなんて一言も言ってない。




しかも朝から海聖は私が頭痛いこと気付いてたの?



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