710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
こんがらがっていると、海聖はふっと笑って私の頭を撫でた。
「…繭歌のことなら何でも分かるよ。
俺は繭歌のことしか見てないから」
ドキッ
どうしてそんな甘い言葉をサラッと言うかな。
不覚にもドキッとしてしまった。
すると海聖はその場にしゃがみ込んで、私に背を向けた。
「…ほら、乗って?」
え、これっておんぶ?
「い、いやいいよ!一人で歩けるから!」
慌てて手を振る。
でも海聖はしゃがんだまま立とうとしない。
「俺がこうしたいんだ。だから乗って?」
こういう時は有無を言わせない静かな声色じゃなくて、優しく言うんだから。
ズルいよ、海聖は。
私の扱い方を完璧にマスターしてる。
「…お、重いよ?」
私は恐る恐る海聖の背中に乗った。
すると私の太ももに海聖の手が回り、私は地面から浮いた。