710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
急に現れた浮遊感と海聖の力の強さにびっくりして、海聖の首に腕を回す。
慌ててたから海聖がクスッと笑ってたのに気付かなかった。
「…繭歌は軽いね」
そんな甘い言葉は、海聖のことが好きな女の子に言いなよ。
海聖を好きじゃない私に言っても、効果ないよ?
ふと朝に肩を抱かれたことを思い出した。
もしかして海聖は朝から私が頭痛いのを知ってたから、ああしてくれたの?
優し過ぎるよ、バカ。
「…失礼します………って先生いないな」
保健室に着いたけど生憎、先生は留守だった。
私は海聖におんぶされるままベッドに連れて来られて、寝かされた。
「頭痛はどう?まだ強く痛む?」
「ううん。薬飲んだから、だいぶいい」
私の言葉に安心したのか、海聖はホッと一息ついた。