710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
海聖に追いつかれないように必死に走った。
チラッと後ろを見たけど、海聖は追いかけて来なかった。
ホッと安心して前を向いた瞬間、何かにぶつかった。
「……いった………」
勢いよくぶつかったせいで、尻もちをついた。
「……繭歌…?」
聞き覚えのある声がした。
ゆっくりと顔を上げると、私がぶつかったのは心愛だった。
心愛を見た瞬間に流れ出したのは涙だった。
「え、ちょ、そんなに痛かった!?
ごめんって!なんか奢るから!」
慌てて私を起こしてくれた心愛にギュッと抱きつく。
それで何かあったのに気付いた心愛は、目を見開いて私を見た。
「…繭歌、何かあったの……?」