710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
一時限目は屋上でサボって、心愛に話を聞いてもらった。
嫌な夢を見たことと、苛立ちを海聖にぶつけてしまったこと。
「なるほどね…
中学の時に言われたことは辛かったよね。
私があんなこと言われたら、きっと今頃家に閉じこもってた」
海聖に告白され始めた中学3年の時、同じ学年の女子生徒に『海聖くんに振られるのはアンタのせいだ』と言われた。
『幼馴染だからって彼女面すんな』
『海聖くんの傍にいるからって優越感に浸ってんなよ』とも言われた。
だから決めたの。
絶対に海聖を好きにならないと。
もうあんなこと二度と言われたくないし、傷つきたくないから。
「…そう思うと繭歌は強いよ。好きにならないと決意して、海聖くんの毎日の告白にもなびかずに。
でも海聖くんは何も悪くないよね?彼は純粋に繭歌のことを心配してただけだよね?」
そうだ。
海聖は何にも悪くないんだ。
それなのに私は海聖に怒りをぶつけて、逃げてきた。