710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
心愛の視線の先にいたのは、今から会いに行こうとしてた人だった。
え、嘘……海聖……
心愛の好きな人って、海聖だったの?
…ハハッ
だから私にずっと言えなかったんだ。
親友の幼馴染を好きになって、今の友情を壊したくないからとか?
心愛ならそう考えてるだろう。
いいじゃん、応援してあげればいいよ。
なのに……なんで……
こんなにも胸が苦しいんだろう。
海聖を好きにはならないって決めたんでしょ?
だったら問題ないでしょ?
「…良かったよ、ほんとに……
私、応援してるから…心愛の恋が実るように……だから、頑張って…ね…」
「…え、ちょっと繭歌!?」
気が付けば私は来た道を全力疾走で戻っていた。