710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
私も何も言われなくなるし、海聖も普通の女の子と恋が出来る。
結果オーライじゃない。
「…じゃあ、さようなら」
私は踵を返して階段を降りた。
後から海聖が追いかけてくる足音は聞こえてこなかった。
海聖も納得したんだ。
私達は所詮家が隣だったからって幼馴染になってただけなんだよ。
もう他人になれば私達には何も残らない。
そう思ったのに、私には一つだけ残った。
「後悔」だけが私の中に残っていた。
でも後は全て手放せたんだから、これでいいんだよね。
私と海聖は近過ぎる「幼馴染」から、遠い「ただの隣人」になった。