710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
最初で最後の人。
海聖と「他人」になってから5日が経った。
海聖とはもうずっと話してなかった。
登下校は心愛と一緒にしてる。
心愛は相変わらず海聖を見て、頬を染めてる。
でも私がいるって気付くと慌てて普通の顔に戻る。
気を使ってくれてるんだ。
私は気にしてないのに。
今日もいつもの時間に家を出る。
すると玄関に海聖がいた。
嘘…!なんでここにいる……
でもそれは海聖じゃなくて、心愛だった。
「…おはよ、繭歌!」
「……お、おはよ!」
心愛のいる所がいつも海聖のいた所で。
私は時々幻覚を見る。
もう吹っ切れてるはずなのに。
幻覚が見えるのはきっと朝の下駄箱のせいだ。
心愛と登校して下駄箱を開ける。
今日も紙が一枚入っていた。