710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
見なくても内容は分かる。
もうこの紙が入ってるのは今日で5回目だから。
そして何が書かれているのかも分かる。
『今日も好きだよ』
やめてよ。
こんなストーカーみたいなこと。
もう他人になったはずなのに、こんなことして。
どうしてそこまで私を狂わせようとするの?
「……繭歌………」
心配そうに心愛が私の肩に手を置いた。
私は咄嗟に紙を丸めてポケットにしまう。
「大丈夫だから。元々なんとも思ってなかったし」
無理やり作った笑顔を心愛に見せる。
こんな笑顔見せたって心愛は無理してるって分かるんだろうな。
でも無理させてね?
私は心愛を悲しませたくないから。
そう目で訴えかけると、心愛は教室に着くまで手を繋いでくれた。
これでいいの。
これが私の「日常」
今までの日常がおかしかっただけ。
私は自分にそう言いかけた。