710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
次の日。
いつものように心愛と一緒に登校して、学校に到着する。
今日もまたストーカーからのメッセージが入ってると思うと、下駄箱を開けたくない。
でも靴を履き替えなければいけないから、仕方なく開ける。
「…あれ………」
今日は紙が入ってなかった。
ずっと無視してたから、もう諦めたとか?
こんなに無視したんだから、さすがの海聖も落ち込んでやめるよね。
良かった。
これでやっと日常を送れる。
これでやっと「ごく普通の女子高生」の私になれるんだ。
なんだか今日は気分がいいな。
天気は曇りだけど。
「…嘘でしょ!?ほんとなの、圭介!」
いきなり心愛の大声が聞こえた。
声のする方を見ると、心愛が電話をして目を見開いていた。
上履きに履き替えて心愛の元に駆け寄る。
心愛は驚いた表情のまま私の方を向いた。
「……ま、繭歌……か、か、海聖くんが……」
「落ち着いて、心愛。戸根くんがどうしたの?」
私が海聖を名字で呼ぶことに慣れてない心愛は一瞬止まったけど、やがてまた口を開いた。