710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
え、今なんて言ったの?
海聖が交通事故…?
嘘でしょ?朝から冗談言わないでよ。
冗談だと思いたかったけど、心愛の顔色から冗談ではないことが分かる。
「…登校中の小学生を庇って車と衝突したって………
今、圭介が病院にいるって…」
圭介って冴山くんのことだよね?
海聖といつも一緒にいる、海聖の親友。
信じられない。
なんで海聖が事故に遭わなきゃいけないの。
混乱してると心愛が私の手首を掴んだことで、我に返った。
「繭歌病院に行こう!早く海聖くんのところに…!」
私が病院に行ってどうするの?
海聖嫌だ、死なないでって大声出すの?
私はすぐに心愛の手を振り払った。
「…なんで私が病院に行かなきゃいけないの?
戸根くんはただの隣人だよ?私が行ったって意味ないでしょ?
行くなら心愛だけで行ってきなよ。
私が心愛は戸根くんのお見舞いに行ってますって、先生に言っておくから」
ゆっくりと後ろに下がりタイミングを見計らって、走ろうとした。
でも心愛にまた手首を掴まれて、私の作戦は失敗した。