710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~




グイッと心愛に引き寄せられて、その勢いで心愛の額に額をぶつける。




「……こ、こあ……?」




間近で見る心愛の目からは涙が止まることなく流れていた。




「繭歌…もう無理しないでよ……
自分の気持ち押し殺さないで。私もう見てられないよ……




本当はどの女の子よりも海聖くんが好きで、どの子よりも近くにいたいって思ってるんでしょ?
でももう傷つきたくないから、海聖くんを遠ざけた。




でもそれって海聖くんを傷つけて、繭歌、自分の気持ちも傷つけてるんだよ?」




心愛は流れる涙を拭おうとはせずに、ずっと私を見つめている。




「恋はね、互いに傷つき傷つけ合いながらも、互いを支え合って作っていくものなんだよ?
それなのに恋をする前から傷つけて、海聖くんには恋しないなんて勝手に決めないでよ。




傷ついても海聖くんを好きでいたい、海聖くんの傍にいたいって気持ち思い出してよ……」




…そうだった。




中学の時に他の女子から嫌味を言われても、私は海聖の傍にいようとした。




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