710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
『ねぇ、俺さ繭歌のこと好きなんだけど』
『俺は繭歌が好きだから、好きって言ってるんだよ』
『繭歌のことが好きじゃないなら、こんなに好きなんて言わない』
『どんな繭歌も大好きだよ』
『おはよう、繭歌。今日も好きだよ』
『ずっと大好き』
病院へと全力で走りながら思い出すのは、海聖が私に言ってきた「好き」って言葉。
私、こんなに海聖に好きって言わせてたんだね。
最近は聞き流してたから、何回言われたなんて考えてなかった。
でも今日下駄箱に紙が入ってなくて、少し寂しかったのは事実。
私にこんな想いをさせるのは、最初も最後も海聖だけだ。