710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
病院に着き受付に聞くと、海聖は先程手術を終えて集中治療室にいるとのこと。
辺りを見回して集中治療室を探す。
集中治療室と書かれた矢印を辿ると、到着した。
「…海聖……!」
私は勢いよく戸を開ける。
そこには酸素マスクをつけ、身体中包帯だらけの変わり果てた海聖の姿があった。
そしてその横にはノートを見ている冴山くんがいた。
「…冴山くん!海聖は!?大丈夫なの!?」
冴山くんに駆け寄り、俯く冴山くんの顔を覗き込む。
冴山くんは私を見ることなく、海聖を見つめた。
「手術は無事に終わったけど……目を覚まさないと危ないって医者が……」
クソッ!
冴山くんは持っていたノートを床に叩きつけて、部屋を出て行った。
目を覚まさないと危ないだなんて……