710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
ふと目についたのは、冴山くんが床に叩きつけていったノート。
これは海聖のノート……?
ゆっくりと開くと、そこには私に告白した時のこととその時の私の反応が書かれていた。
『○月○日。705回目の告白。
朝さりげなく好きって言ったら、軽く流された。
もう呆れられちゃったかもしれない。
700回好きって言ったけど、繭歌はまだ好きになってくれない。
手強いけど、そこがまた繭歌らしいっていうかなんというか』
『○月△日。706回目の告白。
繭歌に俺はただの隣人だと言われた。
でも俺には繭歌しか見えないから。
繭歌を好きって気持ちは二度と消せないから、紙で伝えることにする。』
『○月×日。710回目の告白。
隣にいる繭歌と、遠くから見る繭歌はこんなに違うんだと思い知らされた。
繭歌を見つけると、すぐに隣に行きたくなる。
5歳から繭歌を好きになって、まさか12年間も好きでいるなんて自分はバカすぎると思ったことは何度もあった。
諦めようと思ったこともある。でも、繭歌を見るとそんな気持ちもどっかにいってしまうんだ。
繭歌はすごいな。俺を何度も恋に落としてしまう。』