710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
「……やっと………答えてくれた……」
私の頬に置かれる温かい手。
顔を上げると、大好きな彼が頬を染めて微笑んでいた。
「……か、海聖…?
ほんとに……ほんとに海聖なの…?」
驚きを隠せなくて、海聖の頬をペタペタと触る。
海聖は目を涙を浮かべて笑った。
「…710回も頑張って……良かった…
生きてて……良かった…」
私の目に溜まった涙を拭い、私の頬を優しく撫でる海聖の大きな手。
バカじゃないの。
「…せっかく恋人になったのに……生きててもらわなきゃ……困るよ……バカぁ…」
枯れたはずの涙が再び頬を伝う。
でももう拭う必要はないよね。
この涙は嬉し涙なんだから。
こうして私の恋は海聖の710回目の告白で実った。