710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
指の間に指を絡める。
普通に手を繋ぐよりも密着してて、私の鼓動を更に速くする。
なんか私ばっかりドキドキさせられて悔しい。
チラッと海聖の横顔を盗み見る。
海聖の頬はほんのりと赤くなっていた。
もしかして海聖もドキドキしてるの?
それが珍しくてジッと海聖を見つめてしまう。
すると私の視線を感じたのか、海聖は私を見て苦笑いをした。
「…なんかずっと一緒にいたのに、いざ恋人同士になると緊張するな」
おかしいだろ?
海聖は反対の手で照れたように頭を掻く。
今までいろんな表情の海聖を見て来たけど、照れてるのは初めてかもしれない。
それに私だけドキドキしてるんじゃなかったんだね。
互いに初めての関係だから、互いに緊張してドキドキしてるんだ。
「…ふふっ、私も緊張してるよ」
そう言うと海聖は少し驚いたけど、やがて「大丈夫」というように手に力をいれた。