710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
すると今度は心愛が私に頭を下げた。
「私の方こそごめん」
「え、心愛!?」
心愛の方こそ私に謝る意味が分からない。
心愛は何もしてないのに。
「圭介は繭歌が好きだと思ってて、早く海聖くんと繭歌がくっつけばいいのにって急かすように繭歌を責めてた…」
冴山くんが私を好き?
でも心愛がそう思ってたって言うなら、実際は違うよね。
それに……
「それに例え冴山くんが私を好きだったとしても、私は海聖しか好きにならないから。
もし心愛が海聖を好きだったら、私は親友の心愛を応援した」
「…ま、繭歌……」
心愛は涙目で私を見つめる。
私は自分の恋よりも、親友の方が大切なんだよ。
心愛は目を溜まった涙を拭うと、続きを話してくれた。
「それでね?海聖くんに想いを伝えようとしてる繭歌を見て、私もいつまでも片想いしてるのはやめようって思って。
思い切って圭介に告白したの」
「嘘!告白したの!?」
私が食いつくと、心愛は驚きつつもコクリと頷いた。