710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
「…早くくっつけばいいのに……このままじゃ……」
「…心愛?なんか言った?」
心愛が小声で何か言った気がして、首を傾げる。
「え?何も言ってないけど?」
心愛は目を開いてキョトンと私を見た。
空耳だったのかな?
ま、いいか。
それよりも。
私は心愛に顔を近付けた。
「いい加減教えてよ!心愛の好きな人!」
最近判明した、心愛に好きな人がいるということ。
でも心愛は誰なのか教えてくれない。
もう気になり過ぎて毎日のように聞いてる。
「繭歌が正解したら、教えてあげるよ」
「…それもう教える意味ないじゃん!」
こんな感じでいつも言ってくれない。
親友の私としては、心愛の恋を応援したいのに。
もしかして私に関係してる人とか?
あー、考えれば考えるほど分からなくなる。
心愛が好きそうな年上の先輩を片っ端から言ってたら、授業開始のチャイムが鳴った。