710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~




海聖との帰り道。
私は心愛が冴山くんと付き合い出したことを話した。




「俺にも今日、嫌というほど自慢してきたよ。
圭介は嬉しいことがあるとすぐ自慢するからな」




冴山くんとはあまり話したことなかったけど、なんとなく分かる気がした。




海聖も口ではあんなこと言ってるけど、友達が幸せなのが嬉しそう。




すると繋いでいた手をいきなり引き寄せてきた。




「まぁ、俺も圭介に負けないくらい幸せだけどね」




ニコッと笑う、海聖。




さりげなく私をドキッとさせる言葉を言うから、海聖はズルい。




私はそんな言葉、恥ずかし過ぎて言えないのに。




恥ずかしくて俯くと、それを見た海聖はクスッと笑った。




少し遠回りの帰り道。
少しでも長く一緒にいたいからって、海聖が提案してきた。




そういえば退院して一緒に学校から帰るのって初めてかもしれない。




遠回りすると、時間がゆっくり流れてるみたいでいいかも。




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