710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
「…ねぇ、繭歌。俺のこと好き?」
「な、何いきなり…」
今朝と同じことを聞かれ、戸惑ってしまう。
海聖は歩く足を止めて、真っ直ぐに私を見つめてきた。
手を繋いでいるから、私も自然と止まってしまう。
「いいから、答えて」
海聖の有無を言わせない声。
目つきは真剣で、私が答えるのを待っている。
「……す、好きだよ……?」
変な緊張で、疑問系になってしまった。
答えると海聖の表情はニッコリ笑顔になっていた。
「…じゃあ、キスしよっか?」
一瞬、海聖が何を言ったのか分からなかった。
「……え、キ、キ、キス!?」
数秒後にやっとキスしようと言ったのが分かった。