710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
俺には繭歌しかいない。
繭歌だけいればいい。
俺のノートを見て笑ってた圭介は、何か思いついたのかこっちを見た。
「そういや、お前どうしてこんなに繭歌ちゃんのこと好きなんだよ?
いつからどういうきっかけで好きになったんだ?」
どういうきっかけで好きになったのか?
きっかけなんてない。
俺は一目見た時から、繭歌のことを好きになってた。
5歳の時、親の転勤の影響で繭歌の隣の家に引っ越してきた。
繭歌の家に挨拶に行った時、俺は腹が減ってた。
でも挨拶が終わるまで我慢していた。
仕事で忙しい親に迷惑かけられないと、本音をあまり言わなかったから。
俺の両親と繭歌の両親が話し込んでいる時、いきなり繭歌が家に入って行った。
つまらなくてきっと家に入ったんだって思った。
でも違った。