710回目の告白。~好きなのに、好きになってはいけない人~
しばらくして繭歌が戻ってきた。
そして俺に渡したのは袋に入ったたくさんのクッキー。
『さっきママとつくったの。おなかすいてるんでしょ?あげる!』
俺は腹が減ってるなんて言ってない。
そんな仕草すら見せてないのに、繭歌はすぐに気が付いた。
俺のことを分かってくれる子を見つけた瞬間だった。
そして気付けば俺は「好き」と繭歌に言っていたんだ。
「…まぁ、その時繭歌は俺がクッキー好きなんだと思ってたけどな」
それから繭歌は今も俺によくクッキーをくれる。
繭歌がくれるものなら、何でも好きなんだけど。
繭歌のことを熱く語ったけど、圭介は「ふぅーん」と無関心。
聞いてきたのはお前だろ。