心も、とろけるほど愛して
着信ボタンを押し耳に押し当て唾を飲み込んだ。
『もしもし...?』
『もしもし、私です』
私って……?
『私じゃ分かりません』
『月子です』
この声を聞くのは3度目、忘れたくても忘れようも無い声。何の用事があって電話して来たの?
『なんの用ですか…?』
『今から3時間後プレジデントホテルの7階で待ってるわ、フロントに聞けば、分かるから名前は神谷月子(かみやつきこ)』
『ちょっ行き成り言われても、困りま?!』