心も、とろけるほど愛して
事故以上です！
「七瀬くんおはよう」
ヒンヤリとした見通しの良いエントランスを抜け
正面を歩きダレも入って来ないのを確かめるとボタンを連打する。
「酒井さん、おはようございます」
ふっと甘い微かな香りを感じながら顔を前に向けると
連打された扉は開き中に入ると、もう一度ボタンを人差し指で押す。
静にエレベーターの扉は閉まると２人っきり。
酒井さんの顔を見るとちょっとだけ罪悪感を覚えるのだけど気にせず微笑む。
「七瀬君...やけに嬉しそうだね」
酒井さんはネクタイを少し緩めチラリ私を見つめる。
