私の仕事〜逝かせる〜
私はそんなトラさんの娘さんなんだから来てくれると思って小さな希望さえ抱いていた。


トラさんは呼吸が変わりその日の夜中小さく深呼吸をして91年の人生を閉じた。

安らかだった。

ドラマや映画のように娘さんは来なかった。
これが何度も体験してきた現実…

私は病院では涙も出せなく、いや出さなくなっている。

周りからは冷静な顔してトラさんの体を拭いて部屋を片付けているように見えてるのだろう。

娘さんに宛てた手紙がでてきた。

開けてみる。
手紙の中にはごめんなさいと言う言葉が便箋いっぱいに書いてあった。
何枚も何枚も…

誰が悪いんじゃない。娘さんを攻めるわけにもいかない。

私は悔しくて悲しくて胸が裂けそうでした。

この気持ちをどう処理すればいいのか…


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