私の仕事〜逝かせる〜
自分の無力さ
麻薬を使い始めると呼吸も抑制され悪くなるのがわかる。


数日後トラさんは酸素マスクをつけられモニターもつけられ機会音だけが鳴る部屋になっていた。


もう話すこともできない。

「トラさん…頑張って。」

私は仕事の合間をみてはよくトラさんの病室に行った。

頑張ってるトラさんに対して頑張って、など言うべきじゃないが他に言葉もでない。

私には何一つできることはない。

延命処置を希望しなかったトラさんをこのまま体力が弱っていくのを見守るしかないのだ。

だからといって延命処置を希望したところで一日二日命が延びるだけである。また延命処置なんて挿管され苦痛が増えるだけだ。


自然のまま眠るトラさんを見守ろう。

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