《実話》Last Love〜命を懸けた愛〜
公園を出ようとした所で、愛美は更に大きな声で泣きき始めた。

英美は仕方なく公園へ戻り、数枚の花びらを愛美に手渡した。

愛美は花びらを受け取ると、先程の涙なんてこれっぽっちもなく、満面の笑みを浮かべた。

その間に英美は乳母車を押し、家へ帰った。



桜の季節に終わりを告げ、ジメジメした蒸し暑い日が続く―――



毎日が雨で、辺りを見渡すと、家の中は洗濯物でいっぱい。

だけど、愛美にはとっておきの遊び道具。

タコ足に吊された洗濯物をひっぱっては、手を叩き大喜びする。
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